今、埼玉の緑は
印刷用ページを表示する 掲載日:2010年3月26日更新
右の写真を見てください。見慣れているはずの山の木々ですが、何かおかしいと思いませんか。木の根元に下草が生えず、さらに木の根を覆うはずの表面の土が流れています。右下にはめこんであるのが、部分を拡大したもの。ごらんのように根が地上に表れてしまっています。なぜ、こうなってしまったのでしょう。それは、この山には「人の手」が入っていないから。意外に思われるかもしれませんが、山は手入れが必要なのです。写真の山では木を密集させすぎないように行う間伐がなされずにいたため、木々の間に太陽が入らず、下草がなくなってしまったのです。そうなると、雨が地上に浸み込みづらくなり、水は地表を流れます。それで表面の土が浸食されてしまうのです。
左の写真では木々の間にぽっかりと空間ができてしまっています。これは実はシカによる食害。木を切ったあとに植えた若木の皮や新芽をシカが食べてしまい、木が育たず裸地化してしまったものなのです。もちろん、シカに罪があるわけではありませんが、これを放置しておくと、緑が失われるだけでなく、土砂崩れも起きやすくなります。さらに問題なのは、これらの山々が水源地であること。山が荒れると水も「荒れる」ことになる。山のみどりの問題は決して山間部だけの問題ではないのです。
さらにいえば、問題は「山の緑」だけではありません。埼玉県では都市化によってどんどん緑が失われています。最近30年でみても、平地林などの身近な緑は何と、6,514ヘクタールも失われているのです。


