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教えて!お仕事/仕事ファイルNo.36 医師

印刷用ページを表示する 掲載日:2010年3月19日更新

 教えて!お仕事

 

仕事ファイルNo.36
医師(いし)高本先生
教えてくれた人
埼玉(さいたま)医科(いか)大学(だいがく)総合(そうごう)医療(いりょう) センター(川越(かわごえ)市)
救急(きゅうきゅう)科
高本(たかもと)勝博(かつひろ)先生

ドクターコバトン
2 教えて!高本先生
3 ある日の高本先生

1 「医師」ってどんなお仕事?

  誰(だれ)もが一度はお世話になったことのある、お医者さん。
 患者(かんじゃ)さんを診察(しんさつ)して、病気やケガの治療(ちりょう)や予防(よぼう)をしています。 病院や診療所(しんりょうじょ)でも、風邪(かぜ)をひいたら「内科」や「小児科(しょうにか)」、手術(しゅじゅつ)が必要(ひつよう)なときは「外科(げか)」、ケガをしたら「整形外科」など、他にもたくさんの診療(しんりょう)科があるよね。
 病院に勤務(きんむ) している医師では、外来患者さんを 診察(しんさつ)したり、患者さんが入院している病棟(びょうとう)をまわったり、検査(けんさ)や手術(しゅじゅつ)、夜勤(やきん)をしたりと、日々人の生命と向き合っています。

  なかでも、「 救命(きゅうめい)救急(きゅうきゅう) センター」には、 熱傷(ねっしょう)(やけど)、中毒、突然(とつぜん)の心臓(しんぞう)や脳血管(のうけっかん)などの重(おも)い病気や大きなケガをした患者さんが運びこまれます。
最近(さいきん)、テレビドラマなどで注目されている「ドクターヘリ」も救命救急の一つ。
 「ドクターヘリ」とは、救急医療に必要な医療機器を積んだ救急医療専用(せんよう)のヘリコプターです。医師と看護師(かんごし)が乗り込(こ) んで現場(げんば)へ向かい、到着(とうちゃく)してからすぐに治療を始められるので、「空飛(と)ぶ救命室」とも呼(よ)ばれています。
 埼玉県では、平成19年10月から、川越市(かわごえし)にある埼玉医科大学総合(そうごう)医療(いりょう) センターで「ドクターヘリ」が 運航(うんこう)されています。

ドクターヘリ

 埼玉医科大学総合医療センターのドクターヘリ。テレビドラマで使用しているものと同じ機種(きしゅ)MD902。 最高(さいこう)時速200キロで一番遠い埼玉県内まで20分で到着(とうちゃく)します。

 ドクターヘリに乗る医師と看護師は、通常(つうじょう)は高度(こうど)救急(きゅうきゅう)医療(いりょう)センターで仕事をしています。いつでも出動できるようになっていて、要請(ようせい)があれば5分以内(いない)に出動します。ヘリコプターは、救急隊員(きゅうきゅうたいいん)の判断(はんだん)によって要請を受けます。
  今回は、ドクターヘリに搭乗している高本先生に、お話を聞いたよ!

ドクターヘリ

機長、副操縦士、医師、看護師が搭乗して、現場へ向かいます!

2 教えて!高本先生

コバトンコバトン 小学生の時に好(す)きだった教科(きょうか)は何ですか?その理由(りゆう)は?

高本先生 体育です。見かけ通り体育会系(けい)なんですよ(笑)。
小さいころから剣道(けんどう)をやっていたり、勉強より体を動かすほうが好(す)きでした。

高校の時からラグビーをはじめて、大学、社会人とずっとラグビーをやっています。

高本先生

コバトンコバトン そのころに憧(あこが)れていた職業(しょくぎょう)は何ですか?

高本先生 歯医者さんですね。虫歯が多かったので、歯医者さんによくガリガリと治療されて、「いつか仕返しをしよう」と思っていました(笑)。

 その後は、映画(えいが)が好きだったので映画監督(かんとく)になりたいと思っていました。

高本先生

コバトンコバトン 高本先生が医師になろうと思ったきっかけは何ですか?

高本先生 母親が看護師だったので、小さいころからよく病院に遊びに行っていて、そのころに「医師」という職業を知りました。母親を尊敬(そんけい)していましたし、そこから医療の世界へ入ろうと思いました。

高本先生

コバトンコバトン 医師になるためには、どんな学校にいけばよいですか?必要(ひつよう)な資格(しかく)や、受けなければいけない試験(しけん)はありますか?

高本先生 医師免許(めんきょ)が必要です。医師国家(こっか)試験(しけん)を受験(じゅけん)して、医師免許を取らなければなりません。医師免許を取るには、大学の医学部や医科大学(6年間)に入って勉強しないとむずかしいです。
  今は、高校でも大学進学コースがありますが、私は普通(ふつう)の県立高校に通っていました。実は、受験勉強を頑張(がんば)ったのは浪人(ろうにん)の時なんです。高校ではラグビーばかりしていましたから、もちろん落ちますよね(笑)。勉強ができるから医学部を受ける方もいますが、「なりたい人がなる」ことが大切です。やりたいことが見つかってから、その時に本気で頑張れば、だれにでもなれます。

高本先生

コバトンコバトン 医師免許を取った後は、どうなるのですか?

高本先生 大学を修了(しゅうりょう)して医師免許を取った後は、病院で臨床(りんしょう)研修医(けんしゅうい)として、2年間いろいろな科をローテーションで回り、専門(せんもん)分野の現場を経験(けいけん)します。その中から自分のやりたい診療科を見つけるように努力(どりょく)します。
  メインの科は、内科や外科ですが、外科に救急分野があって、麻酔(ますい)科、救急救命と回ることが多いですね。 3年目からは、自分のやりたい診療科を正式に決めます。

高本先生

コバトンコバトン   高本先生はどんな専門なのですか ?

高本先生 麻酔(ますい)科を専門としています。
 もともと麻酔科に入ったのは、救急をやりたかったからです。ただ、出身医科大学に救急科がなかったので、まずは麻酔科を 選(えら)びました。
 麻酔科は、手術中の麻酔はもちろん、呼吸(こきゅう)や循環(じゅんかん)のコントロール、痛(いた)みをやわらげることをします。全身管理(かんり)のスペシャリストだと思っています。

高本先生

コバトンコバトン 救命救急センターにはどのような先生方がいるのですか?

高本先生 救命救急には、いろいろな症状(しょうじょう) をもった患者さんが運ばれてきますので、外科・整形外科・ 脳(のう)外科を専門とする、ある程度(ていど)経験を積んできた先生方が集まっています。
 麻酔科が一番強みを出せるのは、本来の麻酔の知識(ちしき)ですよね。急患が運ばれてきて、急に麻酔が必要になる、処置(しょち)する時に眠(ねむ)らせなければいけない、ケガをした患者さんの痛(いた)みを取ってあげようとする場合。それをコントロールするのが、麻酔科の役目なんですね。

高本先生

コバトンコバトン ドクターヘリでは、どのようなことをするのですか?

高本先生 ドクターヘリのメリットは、現場に医師や看護師が行って、その場で病院と同じような初期治療を始められるということです。
 ヘリコプターで早く現場へ行って患者さんを乗せて病院に連(つ)れてくるというイメージがあると思いますが、それだけが目的(もくてき)ではありません。ドクターヘリは医師や看護師が直接(ちょくせつ)現場へ行くことによって、治療を開始する時間が早くなります。
 現場で治療するのは、すごく限られた状況(じょうきょう)です。地震(じしん)など災害地(さいがいち)の医療現場と同じで、ヘリに積んでいる資機材(しきざい)も人員も時間も限(かぎ)られる。この患者さんに救命の手術や処置をしたほうがいい結果(けっか)になるのか、その場で判断しないといけません。現場では、生命を維持(いじ)するというのが一番重要になります。病院へ運んできちんとした設備(せつび)の中で治療を行うための準備(じゅんび)を、現場で行い、その患者さんの症状にあった病院に運ぶ判断も必要です。

高本先生

コバトンコバトン この仕事をするうえで、大切なことは何ですか?

高本先生  「パッション(熱(あつ)さ)」です(笑)。
  高度救命救急センターには、重い症状の病気やケガの患者さんが運ばれてきます。最大限努力して、何とかして助けようと頑張ります。それでも思うようにいかないこともあります。
 心の病気を持って、救急車で運ばれる方も多く、最近の世の中は暗い感じがあるし、それは医療の世界にも社会の情勢(じょうせい)として反映(はんえい)されています。それを打ち消すために「熱さ」が必要なんです。
  ただ、熱い気持ちも必要だけど、医療を、救急を続(つづ)けていくためには、現場では心の冷静(れいせい)さを保(たも)つのも大切です。焦(あせ)っていても、患者さんやご家族の前で焦りを表してはいけない。「俺(おれ)に任(まか)せておけ!」とは言いませんが、見ていてもきちんとやっているな、ということを感じてもらえるような安心させる冷静さが必要ですね。
  あとは、「コミュニケーション能力(のうりょく)」と「人が好(す)き」なこと。
患者さんが何を考えているのか、どういうふうに接(せっ)したらいいか、と考えられることが大事だと思います。人が好きだったら思いやりも出てきますよね。

 医師にとっては、メンタル的(てき)なコントロールも必要ですが、一番大事なことは「経験」です。この高度救命救急センターには、いろいろな症状の方が運ばれてきます。見たことがある、知っているという経験が自信(じしん)につながります。

高本先生

コバトンコバトン この仕事で、つらいなと思うのはどんなことですか?

高本先生  自分で自分の体を傷(きず)つけてしまう患者さんが運ばれてきたときは、とても悲しいです。一度、自分の体を傷つけて運ばれて助けた患者さんが、同じことをして今度は心臓(しんぞう)と呼吸が止まった状態で運ばれてくることもありました。自分たちは体を助けることしかできないのですが、心のケアをする先生もいるので、協力(きょうりょく)しながらやっています。
 私たちも、自分の力が及(およ)ばなかったんじゃないかと思う時はつらいです。「もっと何かできることはなかったのか」「自分が何ができたのか」と理想(りそう)と現実(げんじつ)を考えると、心のバランスをとるのがむずかしくなる時があります。
 とらえ方は個人(こじん)で違(ちが)いますが、みんな同じように悩(なや)んでいると思います。 よく後輩(こうはい)に「これでよかったんですか」と相談されることがあります。「こういうことがあったんだけど、どうだったのかな?」とだれかに話すこと、自分だけで考えこまずに仲間(なかま)と共有(きょうゆう)することが大事です。
 悩むことはいいことなんです。解決策(かいけつさく)を見つけながら、日々「熱く」生きてほしいと思います。

高本先生

コバトンコバトン 今までこの仕事をやっていて、よかったと思ったのはどんな時でしたか?

高本先生 自分だったから助けられたのかな、ということはあります。
 喘息(ぜんそく)の子に発作が起きて、息もできない状態(じょうたい)で運ばれてきました。両方の肺(はい)が破(やぶ)れていて、「気胸(ききょう)」といって肺が瀕死(ひんし)になっている状況でした。血圧(けつあつ)も低(ひく)く、呼吸も止まりそうだったんです。その場面で、麻酔科の知識を活かした呼吸管理をして、助かりました。その子が退院(たいいん)退院するときに「ありがとう」という手紙をもらったんですが、よかったと思いましたね。

高本先生

圏央道訓練1

圏央道訓練2

▲ 圏央道(けんおうどう)へ着陸(ちゃくりく) するドクターヘリ。
 圏央道の(坂戸(さかど)インターチェンジ近くで交通事故(じこ)がおきた想定で、訓練(くんれん)しました。
▲ 救急車の中で救急処置を行い、ドクターヘリに乗せて病院へ運びます。
   高速道路を交通規制(きせい)して、本線上でドクターヘリが離着陸(りちゃくりく)する訓練は全国初!

コバトンコバトン 元気のミナモトは何ですか?

高本先生 患者さんと、一緒(いっしょ)一緒に働(はたら)いているスタッフの笑顔(えがお)。あと、自分の子どもたちの笑顔です!  

高本先生

コバトンコバトン 「座右(ざゆう)の銘(めい)」はありますか?

高本先生  「今を生きる」ですね。今日できることは明日までのばさないこと。
 ただ、 心に 余裕(よゆう)余裕を持ちたいです。少し余裕を持ち、まわりをみながら生きていくことが大切です。 

高本先生

コバトンコバトン 高本先生の目標(もくひょう)はなんですか?

高本先生 一生懸命(いっしょうけんめい)今を生きて、人生の最期(さいご)を悔(く)いのないように迎(むか)えられる方が増(ふ)えてほしいと思いますね。本人もご家族も。
  悲しいことですが、なごやかな死を迎えられるような 地域(ちいき)をつくりたいです。

高本先生

コバトンコバトン  最後(さいご)に、埼玉県のこどもたちにメッセージをお願(ねが)いします。

高本先生 医師は、勉強だけでなく体力も必要です。
 外で遊んだり、サッカーや野球などでも何でもいいので、小さいころから体力をつけましょう。体が健康(けんこう)だと、心も健康になります。
 健康であれば、本気で頑張れば何でもできると思います。

高本先生

 2009年公開(こうかい)された映画「ジェネラルルージュの凱旋(がいせん) 」は、救命センターやドクターヘリを題材(だいざい) にした映画です。最初の救命センターのシーンには、なんと高本先生が 出演(しゅつえん) しています!
 映画の 撮影(さつえい) で、医療 監修(かんしゅう)・ 指導(しどう)をしたところ、あまりにも 演技(えんぎ)が上手だったので、そのまま出演することになったとか。 

内部1

内部2

▲ ドクターヘリの内部(左側が看護師座席(ざせき)、右側に患者用ベッドがあります。)▲ 心電図やエコーなどのモニター類(るい)、酸素(さんそ)、吸引器(きゅういんき)、大量(たいりょう)輸液(ゆえき) セットなどを積んでいて、まさに「空飛ぶ救命室」

3 ある日の高本先生

日勤(にっきん)の場合
当直(とうちょく)の場合
0時00分
7時00分
起床 ( きしょう ) 、朝食
8時00分
健康(けんこう)のため、自転車で通勤(つうきん)。
8時30分
救急科カンファレンス(会議(かいぎ))救急科カンファレンス(会議(かいぎ))
10時00分
回診(かいしん)・救急外来(がいらい)・病棟(びょうとう)業務(ぎょうむ)

11時00分

(とちゅう、空いた時間で昼食をとる)

17時00分

夜勤(やきん)開始。

次の日の朝11時まで、(仮眠(かみん)しながら、急患(きゅうかん)、病棟用務を行う。)

19時00分
回診・救急外来・病棟業務
21時00分
帰宅(きたく)、夕食
子どもたちと入浴(にゅうよく
(空いた時間に夕食をとる)
22時00分
23時00分
就寝(しゅうしん)
0時00分

 

コバトン

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